村上春樹著 講談社文庫 20240429読了
なぜか村上春樹のことを食わず嫌いしていて、初めて著作を読んだ。
ストーリーがドラマティックに展開していくわけではない。ただ、感情の描写、言語化がすさまじかった。幼少期の好意を抱いていた異性と、30年ぶりに会う。自分は結婚して子供もいる状況。ただ、彼女を求めてしまう。そういう状況における感情の描写が圧倒的だった。
いい小説だった。ただ、入り込めない場合、主人公の内省の深さがくどく、自己陶酔のようにも感じられてうんざりすることもある。読書時のコンディション次第。