国境の南、太陽の西

村上春樹著 講談社文庫 20240429読了

なぜか村上春樹のことを食わず嫌いしていて、初めて著作を読んだ。

ストーリーがドラマティックに展開していくわけではない。ただ、感情の描写、言語化がすさまじかった。幼少期の好意を抱いていた異性と、30年ぶりに会う。自分は結婚して子供もいる状況。ただ、彼女を求めてしまう。そういう状況における感情の描写が圧倒的だった。

いい小説だった。ただ、入り込めない場合、主人公の内省の深さがくどく、自己陶酔のようにも感じられてうんざりすることもある。読書時のコンディション次第。

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欲望の見つけ方

20240403読了。 ルークバージス著

自分の欲望は他人からの影響をすべからく受けているし、その逆もまたしかり。

確かにそうだ。SNSが支配している現代においては、他人のライフスタイルや欲望が昔に比べいつでも見られる状態となっている。

ブランド物がほしい。良いホテルに泊まりたい。コンサルに行って、MBA行って起業して。などというのは模倣の欲望の可能性がある。

ただ、全人類が模倣の欲望の影響を受けているし、影響を及ぼしあっている。

このような状況で、自分を見失わないためには、努力して模倣の欲望を体験したうえで、YesNoを判断してみるのも良いと考える。

もしくは、濃い欲望を見つける努力をする。あえて、インターネットから離れて、情報を遮断しぼーっとする時間を作る。

瞑想するなど。何かの目的を持たない時間を過ごす。まずはこれらを取り入れたい。

ただ、薄くても何かの目標を追いかけることも、私は素晴らしいことだと考えているため、

自分の中でモードを切り替えるように、両立できるようにしたい。

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【洋書】ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

20240310読了。

最初の1冊のため、かなり時間がかかった。3週間ほど。

始めは単語を一つ一つ調べていたが、そうもいっていられず、サクサク読み進めることにした。

終盤はペースも上がり、英語の処理速度が少し上がった気がする。継続がしたい。難しいが。。

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Perfect Days

本当に良い映画だった。(20240302鑑賞)

現在の何気ない生活は、すでに最高の日々なんだという大切さを改めて思い出させてくれた。

貧しい日々を送る主人公は、とても楽しそうだった。

毎朝起きると、布団を片付け、歯磨きをし、植物に水をやる。

玄関前で、手に取るものも決まっている。

狭く、古い家のなかで、植物を育て、文庫本の書棚があり、カセットテープで音楽を聴く。

仕事には自分のこだわりを持ち、仕事終わりには開店と同時に銭湯に行き、なじみの居酒屋で食事をする。

休日では、文庫本は1冊買う。日々撮りためた写真を現像しにいく。

押し入れには、月ごとにこれまでの写真が納まっている。休日にいく用の酒場もある。

主人公は、自分のコントロールの範囲内で、自分の手が行き届く範囲で好きなことをして生きている。

自分の日々の生活のなかでも、見逃してしまっている幸せをしっかり見て、感じるようにしたい。

身の丈に合う幸せを大事にする。自分の守備範囲や線をしっかり守っている態度。

そういえば、主人公には現代のSNS界隈のような承認欲求は特になかった。

 

自分は20代はどんどん自分の欲望や給料を上げるために頑張り、生活水準を上げたり、仕事の範囲を広げることにこだわってきた。

何か成長するためには、現状の外に目標を置き、目標達成のために頑張ることが正しい。しかし、同時にすでにある幸せにも目を向けるようにしたいと思う。

自分は現在31歳で、仕事のストレスもあまりなく週3在宅で、将来やお金の心配もない。にもかかわらず、外資系本社の役員になる目標のため、MBAを取ろうとしている。

足るを知るを体現しすぎると、現状維持となる。目標達成や未来に目を向けすぎると、既にある幸せを享受できなくなる。

自分としては、未来志向であることは良いことであるし、自分らしいと考えている。

未来志向でありつつも、日々の既に存在する幸せを意識し、それを楽しみ、感謝できる人間でありたい。

何か頑張りすぎたり、自分のキャパオーバーとなっていると感じた場合は、いつでも自分の手の届く、コントロールできる範囲に立ち返ることのできる人間でありたい。

偉人が最終的に田舎の草庵の4畳半で余生を過ごすことがあるが、こういうことなのかもしれない。

 

既に、毎日は最高で、世界は幸せにあふれている。

同じようなルーティーンの毎日でも、細かなところに変化があり、その変化を捉えられると毎日は楽しくなる。

変化を捉えるためには、自分のコントロール可能な範囲を超えないようにすると良い。時間や金銭に余裕がなくなると、変化を楽しむ余裕がなくなる。

主人公は昼休み、毎日同じ神社の木陰で木々の写真を撮っていた。いつも見ている風景にも、1日1日変化がある。

主人公は朝家のドアを開けると、空を笑顔で眺める。今日は何が起こるのか楽しみにしているようだ。

自分が決めたルーティンを守ることで、朝ドアを開け家から出るときにはすでに、日常の変化を受容する準備ができているということだ。

「時間と金銭の余裕→日々の変化を楽しむ、感謝する、受け入れる」

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なぜあなたの仕事は終わらないのか

中島聡著

# 1日の働き方について

まず、朝型生活にすること。前日夜にタスクリストを作っておく。そして、朝の2時間(4:30~6:30)で1日の8割の仕事を終えること。午前中(10倍界王拳)で1日の仕事を全て終わらせること。そして、昼からの仕事は「流す」。この時間を仕事の勉強や、自分の本当にやりたい勉強にあてる。

→激しく同意する。ここまで言語化できていなかったが、無意識的にやっていた。

# 仕事の見積もりについて

安請け合いしない。最初の2日で8割の仕事を20倍界王拳でやり、見積もる。着手しないと、正確に見積ることはできない。この「界王拳」がしっくりする。

# 働き方について

本当に好きなこと、楽しくてしょうがないこと、頼まれなくても自分から喜んで残業してしまうような業務を仕事にすること。今の仕事がそうじゃない場合、この働き方で余裕のある時間を生み出し、その時間で本当にやりたいことを見つけ、向き合うための時間とする。色々なことをやるなかで、見つけていく。

# 勉強について

目的のない勉強はするな。勉強はあくまで手段。「勉強のための勉強はいらない」「崖を飛び降りながら飛行機を組み立てろ」何かの実践のために知識が必要なら、やりながら覚えていくべき

→必要に迫られれば、人間は大抵のことはできるようになる。

将来なんとなく役立ちそうだからは❌

# 生き方

「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」

現状に満足せず、常に新し物を求める。誰もやったことのない仕事をする。自分に正直に生きる。やりたい仕事があれば、上司に頼む前にまずやってみる。

世の中で、今ある製品、サービス、考え方で「何か使い勝手の悪い部分、気に食わない部分はないか」探して、メモし、アイデアとする。

「今やっている仕事の中で、本当にやりたい仕事につながる共通点を見つけ出す」

「何かを成し遂げたり、幸せな人生を手に入れたりするには、好きなことに向き合い続けること以外に方法はない」→熱狂する。楽しんでやる。

# 起業

本当に共通の目的をもった者同士が集まって、走り続けること

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聞く技術聞いてもらう技術

東畑開人著

聞く:語られていることをそのまま受け取ること。

「聞く」が重要。「聞く」ためには「聞いてもらう」ことが大切。自分に余裕がないと、「聞く」は難しい。

聞く側も聞かれる側も孤独。余裕がないと、どうせ分かってくれないと打ち切ってしまう。

孤立は孤独と異なる。孤立は孤独ではなく、悪き他者がたくさん悪い言葉を投げかけてくる状態。「豊かな孤独」は良いものだが、心の中に安全な個室があるということ。

ひとりぼっちの時は個室はもてず、たくさんのつながりがある場合に個室がもてる。

誰でも心は複数あって、それが日々綱引きしている状態。

年を取ると、少し他者を理解しやすくなる。

「同じ問題に直面していて、同じ苦労をシェアしている仲間」が必要。

「お前はいろいろあるけど、良いやつだと思うよ」と言ってくれる「友人」が大切。

 

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そういえば、自分だけがコントロール可能なことを「する」と良いのも安心感につながる。昇格となるとか、評判がよくなる、人気が出るはその状態に「なる」ことだからコントロール不可能。

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運動脳

アンデシュ・ハンセン著 20230106読了

【結論】

週3の30分ランニング。週1は45分が良い。2024年は必ず習慣化して、ずっと継続する。

ストレス耐性向上

20分から45分ほどのウォーキング、ランニング、スイミングで十分効果がある。

ただ、ランニングの方が効果が高い。最大心拍数の70%程度が良い。

筋トレもストレス物質を無害化する。

自分も家族も子供にも運動をさせた方がいい。週2回、数ヶ月の継続した習慣化が必要。

ストレスは身を守る上で必要。扁桃体が損傷を受けると、恐怖心を感じなくなり、危機回避が困難になる。

集中力向上

運動は集中力向上にも効果的。ドーパミンが出るため、幸福感も得られる。

脳には「報酬系」という強力なシステムがある。ある種の行動へと駆り立てる動力源となる。

4歳児の目の前にマシュマロ1個置き、すぐ食べてもいいが、20分待てば2個もらえると伝える。この我慢できるかどうかで、子供の未来を予測できる。

ただ、この自制心は後天的に鍛えることができる。

ADHD は探検家の遺伝子。長時間座りっぱなしだと、不安や鬱になりやすくなる。

記憶力、集中力、創造性が上がり、テニスや野球などのスポーツ技能向上にも効果的。

 

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selfish

トマス・J ・レナード著 全531p 20240102読了、20230104 2回目

何度も読み返したい本。一度では全て吸収できそうにない。

人間関係、仕事、生産性、経済性、人格など様々な切り口で、人生を豊かにする方法を紹介している。

【ワーク】

★自分の価値観を知る

★弱点がきっかけで何かしらの転機があったという点を10個書き出す

★人生で大目に見ていることを大小問わず30個挙げてみる

→リストアップしたものを、1日1つずつなくしていく→我慢フリーなゾーンに身を置く

★理想の生活について書き出す(人間関係、目標、仕事、気持ち、家、ライフスタイル)

★普段の行動のうち、自分の魅力を下げているものは何かリストにする(どうすることもできないと感じていることも)

★わざわざ自分でストレスや逆境として抱えてしまっていることをリストに

★自分にとっては特別だったり、魅力的な行動はどんなものがあるか(これからやろうとしていることでもok)

★毎日30分運動する

★しっくりこない服は捨てる、良い靴はく

★瞑想の時間を設け、自分の心の状態を確認する

★毎朝、毎晩、何か楽しみなことを用意する

【コミュニケーション】

★話を聞きながら、相手の「感情」に共感する、応えて、相手の中にある特別でユニークなものを見つけようとを意識する。

実績を褒める代わりに、人格や中身を見てあげる

聞く人に応じて、その人に刺さるコメントを返す

★相手のトーン、状態、ペースに自分を合わせる

いつでも相手の自尊心を育もうとする

★どんな人もポジティブで善意ある人だと思って接する

相手や複数の視点に立って生きる

会話を通して余裕やエネルギーを養い、他人の領域を尊重する

★自分の身体の感覚や直感、相手の反応に従って何を言うか決める

★他の人は人生において、何を「価値」としているか知る

★自分が喜びを感じることを見つけて、とにかく実践する

★どんな聞き方、反応をしてほしいかあらかじめ相手とすり合わせておく

【自己肯定感】

★自分の苦手、弱みを正直にさらけ出し、「楽に前進していける」ところに集中する

★気持ちの赴くまま、軽やかな気持ちで思い切って本能に従う。

自分は殻に閉じこもらないぞと決める、悪いやつになる

自分だけの物差しを作ることに時間も思考も使う(ビジョンマップ、読書、旅行…etc)

心の声に従い、今この瞬間を心のままに味わう

★あまり夢、希望、ゴールなどの「できるはずのこと」を追いかけすぎない→できるだけ抵抗の少ない道を行く(電柱理論)

★自分の最大の弱点を肯定する。欠点を改善しようとは思わない。いい意味で諦める。

★弱点がきっかけで何かしらの転機があったという点を10個書き出す

【見栄】

「ライフスタイル」の維持にお金をかけすぎないように

★時間とスペースに常にゆとりをもたせることで、人は高速で成長できる

「ライフスタイル」は「人生」をサポートするもの

ノーブランドが良い訳ではない。一流の品質のものを買うようにする

【その他】

あらゆる些細なことに即座に対応する

★人生で大目に見ていることを大小問わず30個挙げてみる

→リストアップしたものを、1日1つずつなくしていく→我慢フリーなゾーンに身を置く

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続ける思考

井上新八著  20231229読了。定期的に再読したい。

【続けるコツ】

「やろうと思ったらすぐやってみること」「やると決めたら毎日やること」「記録をつける」「極限までハードルを下げる、小さく続ける」「なんのためではなく、なんとなくやる」「やると決めたのは自分と宣言する」「既存の習慣とセットにやる、ついでにやる」「特に朝の習慣をデザインする」「いつやめてもいいと思う」「やったフリだけでもやる」「小さなことを小さく終わらせ続けていく」「コツコツやり続けることで、無限の可能性がある(『王様ランキング』、『君の名は』、『JUNKHEAD』、毎日すき家、)」「意味がなさそうな、くだらない事も続けてみる。チャンスかもしれない。」「苦手なことや、やりたく無いことも続けてみる。チャンスかも。」「自分だけのこだわりや、普通のことも記録してみる(毎日食べる納豆について、毎朝の空、ドラマの小道具、)」

「誰にでもできることを、誰もできないくらい積み上げる」OR「誰もできないことをやる(より難しい?)」

【個人的学び】

成功やゴール達成のためには、一貫した習慣つまり、続けること、継続することが大切とよく言われている。『達成の科学』にも、ゴールや夢の実現には、自己規律を保ち、ゴールに向けた行動を取り続けることが大切で、そのための原動力となるビジョンの見つけ方、保ち方、モチベーション維持、プランニング方法が説明されていた。

この本はただ続けることにフォーカスしている。続ける目的やその先のゴールは意識せず、ただ続けることを良いものとしている。続けていると、66日経つと習慣になる。続けることそれ自体に価値があり、素晴らしいことだということにとても共感した。続けた先に自然に成功、上達、情熱、好きが生まれるということ。

「続ける」=「時間をかける」ことで、「好き」につながる。

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『敦煌』井上靖著

20231003読了

科挙を受けようとしていた秀才の人生の話。

時代の大きな流れと瞬間瞬間を生きる個人の選択というバランス、物語の根底にある。

科挙に人生を捧げていたにもかかわらず、通りすがった異国の女性によってこれまでと全く違う人生に向かっていく。その先で自分の使命となる仕事に出会う。この人が生きているのなら、自分も生きようと思えるような人間と出会う。

当初の自分の描いた通りにならなくても、人生は素晴らしいし、「今この時がすべて」という考え方をしていて良いんだと思った。

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